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【 2017/01/21 21:27 】

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俺の彼女はドッペルゲンガー(前編)
エロなしです。
お久しぶりです。明後日の狩人です。
今回は、思いついたのをつらつら書きましてフェチ的な目線を重視して作りました。ツボに入ってなかった人はすみません。
反省はしないです。舞台設定としてはドッペルな感じの女の子とそれにつき合わされた不幸な彼氏という設定です。
彼女の方ですがはっきり言ってストーカーな感じです。怖いです。ではどうぞ〜


俺の彼女はドッペルゲンガー持ちだ。勝手にどこかしこで分身して襲って来る。
 彼女の瞳の言い分では、両側から抱いて欲しいなんてめちゃくちゃな事を言ってくる。俺の方は両手を使ってめいいっぱい抱きしめているのにどこかから別の分身がやってきて、不満だと言ってくる。今日もそんなことを言われるのかと憂鬱に浸りながら、瞳との待ち合わせ場所にやってきた。彼女の方からデートの予定を設定されてわざわざ俺の予定を変更して来た。いいように使われている気がしてならない。
 彼女が到着すると彼女の姿は帽子をつけて、オレンジのふりふりをつけたスカートをつけていた。トップスは短い丈のシャツだった。シャツの上にはニカッと笑う顔があった。この顔に騙されてなんどひどい目にあったか、思い出すだけでもイライラしてくる。
「今日は早かったんだな!」
いつもは10分遅れ20分遅れが当たり前だった瞳の行動に俺は慣れていたのでそう言っていた。
「いつもいつも、そんなに待たせてるかな?」
白々しく彼女はそれらしい事を言う。
「今日は遊園地だっけか?」と俺が聞く
 彼女がすべてのスケジュールを決めているので(ただし費用は全て俺持ちだが)この遊園地のことも知っているわけじゃない。ルートを教えてもらわなければどこに行くかもわからなかった。
「えっと、中に入ったらまずコーヒーカップに乗って、船で海賊と戦うアトラクションをやって、ジェットコースター、その後観覧車に乗るって予定で」
「了解」
「ほとんどのアトラクションがさ。混んでるから結構回るのに時間かかるんだよねー」
俺の嫌そうな顔を見ても瞳はあっけらかんとしたまま
「それじゃ、チケット売り場はあっちだよ」
とはしゃいでいた。


 チケット売り場ですらたくさんの人で混雑して並ぶのを余儀なくされる。俺の肩についている瞳は両手で俺の腕を自分の方にぐいぐい引っ張る。そんなに引っ張らなくてもいいだろうに、そう思っていると瞳は
「そういや、今日の髪型どうかなー(俺の名前)が気に入るかなと思ってきたけど。くせ毛残ってない?」
とこっちに顔を向けた。
彼女の髪型は俺の好みでドキッとしたが「いいと思う」と変に曲がったくせ毛も含めて言ってやった。「そっか、手鏡じゃ全部見えないんだよね?」と不吉な声が聞こえた。
俺が「えぇっ」という間もなく瞳はもう片方の俺の肩にしがみついていた。元の彼女を残したままだ。俺の頭の中で今日もまたかとほぞをかむ思いだった。逆側の瞳は俺の肩につき元々の瞳と同じように俺の腕をぐいぐいと引っ張る。瞳は自分の髪をもう一人に見せていた。そのために作った分身なのでその役目を果たせば消えて欲しいが、まだ俺の横にくっつきたいようだった。
「やっぱくせ毛残ってるよ」
そんなことより、両方から引っ張るのはやめてくれ!
「ああ、そうだな。ところでこのままだと、三人分チケットを買わないといけないからさ」
瞳は「だから?」と聞いてきた。
「こっちのやつを消して欲しい」
あいつはああそうだね、といい加減に俺に返事をして目を戻し自分の髪型を治すほうに集中していった。


これが俺の彼女がドッペル持ちだという事だ。何かあったら数が増えられたら、デザートをもう一人分余計に買わないといけなかったり、服を二人分欲しい(二つに人格が分裂してどっちか決められないらしい)といいだしたりする。出費がかさむので早急にやめていただきたい。
 ようやくゲート前で消えた分身とさらばして、俺は瞳と最初のスポットであるコーヒーカップに行った。
「楽しい〜」
と瞳は言っていた。くるくると自分でコーヒーカップを回そうとする。
「ねぇ、(俺の名前)も手伝ってよ」
俺はいやいやながら手伝う、もし時間があればずっと彼女を見ていられるだけでいい、自分からなにか関わろうとするのは面倒くさかった。
「もう、力なさすぎ」
と俺を非難し彼女は自分でもっとコーヒーカップを回そうとする。当然自分の数を増やすことを考えるわけで、真正面にいた瞳が両脇にも出現した。右と左からハンドルを持っている俺の手ごとコーヒーカップを回そうとする。右にずれれば右の彼女にぶつかり左にずれれば左の方向の彼女にぶつかる。出口のないコーヒーカップで立つのも危ないほどのスピードで回され瞳は楽しそうだが俺はそうも言ってられなかった。
 ようやく降りられた時にはゲーゲーと吐き気を催し、回復までに自販機からのコーヒーが必要になった。その後海賊と戦いジェットコースターに乗ることになる。
 ジェットコースターに乗るために並んでいると彼女が生意気そうな顔をしたあと見えないところから腹に一発拳が飛んできて瞳が「よしっ!」という顔をした。加害者は絶対瞳だが姿が見えなかったので追求できない。俺はサンドバックか?どうやら並んでいる時の暇つぶしのためだったらしい。「誰だ〜」と言いつつ前に瞳が並んでいるのに後ろから首を絞めてくる。彼女のほうが身長が低いので俺の首にぶら下がる形での必殺技に俺はなす術がない「おまえだろ」という俺の声もかすれて聞こえていないようだ。耳をこっちに向けて聞き返してくる。「なんて言ったの?」彼女は胴に手を当てこちらを気にかけるふりをしていた。


 ゼーゼー声を荒らげようやくジェットコースターの順番が来た。さすがにジェットコースターはベルトで身体を固定するから変なことをされることはないだろう。と一番前に座り降りてくるベルトを見て安堵していた。横ではうきうきした瞳の顔があった。
「待ったかいがあったよ」
と俺の犠牲の上にある待ち時間を嬉しそうに語っている。
「何かあったらしがみついてきていいんだからな」と自信のあるところを見せようとすると
「あんがと〜」と調子の抜けた返事をしてくる。
機械を動かし始めたガタガタという音が聞こえて、ジェットコースターが前に動き始める坂を登って一番上まで来るとキューーゥーと車輪が唸りスピードを上げコースターは駆け落ちていった。前方に螺旋形のレールが見えると視界と上下の感覚がぐるぐると回り始める目を回し元に戻るのを待っていると、また最高速度で振り回され体に遠心力がかかる。最初は楽しんでいた瞳だったが、徐々に笑い声から叫び声に声が変わっていき「ガァーアアーイヤーーー」と言っていた。
 繋いでいた手をギュッと強く握って首を何回も横に振っている。ひときわ大きな声を上げたかと思うと突如俺の視界がなくなり前が見えなくなった。一瞬思考が止まったが要は彼女が俺の前に来て視界を妨げていたのだった。分身の瞳はシートベルトがないのに俺に必死に捕まり本体の方は相変わらずギャーギャーと悲鳴を上げている。流石に危ないだろうと俺に乗っかっている分身の方を見ると目をつぶって俺にしがみつき俺は瞳の胸に顔を埋める形になっていた。振り落とされそうになると死ぬ気で(実際落ちると死ぬので)俺にしがみついてくる。おい、守ってやりたいのはそうだがこれだと俺のほうが死ぬぞ。
 全身を俺に密着させた状態のまま俺は瞳を助けてやりたい気持ちと、この分身を早く突き落としたい衝動に心を揺れさせていた。ようやく、ジェットコースターが終わると俺の上に乗っていた瞳は係員に見つかる前に逃げていってしまいどこかでその体を消滅させたようだ。瞳は俺に掴まっていた分身の記憶を融合させて俺の手を握りながら赤くなってしまっていた。俺もその様子に顔が赤くなり二人とも顔を逸らしたまま次の目的地まで歩いた。


「次は、えっと観覧車だ」
と瞳が言う。
「そうだな」
と俺も言い、さっきと同じ長い行列に並び俺たちの番が来るのを待っていた。あっという間だった先ほどと違い時間はゆっくり流れる。何か喋って欲しいがこちらから何か言うのも恥ずかしい。
「なんか、喋れよ」
俺が言うと
「えらそうに、命令するな!」
と言ってきた。
 観覧車に乗り込むと声を出しにくい雰囲気に飲まれしばらく、無言の時間が過ぎていく。
「わたしだってさ、」
無言を破ったのは瞳からだった。
「わたしだって、普通の女のほうがいいの知ってるよ(俺)がそう思ってるの。」
「だったら」
と言ったとき、瞳の気配が二つに分かれた。俺が動揺していると、瞳は
「ああ、わたしも完璧にこれコントロールしてるわけじゃないんだよ。」
「さっきだって、やりたくてやったわけじゃないしさ」
「消えて欲しい時に消えてくれないし、来て欲しい時に来てくれないもん」
「記憶が戻ってくるから、分身の方をよく思ってないの知ってるし」
交互に思いを漏らしていく瞳たち俺は身体の上から下にりきみが消えてくような気がした。
「ほら、勘違いされるじゃん、早く消えてくれ!」
一方の瞳が強い口調で言う。
「ああ、なんかイラついてきた、そっちが消えてよ!」
もう一方も反対に負けずに言い返す。目を伏せている二人から感情が読み取れないが二人とも頭と腕をわなわなと震わせている。
二人して同時に音も立てずに立ち上がると一方がもう一方の瞳にいきなり殴りかかる。殴られそうになったほうが力の入っていない拳を掴んで体重をかける。逆の腕は手のひらを広げて相手の手を押さえつけている。
「あんたの方が偽者でしょ」
「そっちが何言ってんの」
と手を上げられない分を言葉で吐き捨てる。
「おいおい、いい加減にやめろって」と俺が言うと
「黙れ」「黙って」と両方から吠えられる。俺が何したっていうんだ。
「ああ、簡単にうきうきして何が楽しいの?」
「へえー、カレンダーにハート書いててさあ?」
両方の瞳から怒りのエネルギーがフツフツと湧いているのが分かる。もうここらへんで止めないと、嫌な気分にしかならない。
「後で聞いてやるからさ、瞳」
と俺が言うと
「そういや、(俺)はどっちが本物だと思うんだろ」
「ええ、それは簡単に分かる気がするけど(俺)だったら」
「「ねえ」」不気味なほど一緒に聞こえる二人の声
「「(俺)はこっちが偽者だと思うよね」」「ねぇ?」「ねぇ!?」
どっちに味方してももう片方から文句を言われる。俺はどっちも選べない状況だった。
「ねぇ、私のほうがこの服装に合ってるよね」
「えぇー、私よりそっちの私のほうが似合ってるわけないよね」
「だって」
「だって」
「「そっちの私よりわたしのほうが(俺)は愛してるんからね」」
自分の耳で聞いた言葉も、人の口から聞こえれば呪詛にしか聞こえない俺はこの時、瞳の心がガラガラ崩れていく音が聞こえた気がした。
・・・
「なぁ、瞳」
・・
「うるさい」
「なんでわたしから、彼氏奪うの信じらんない!死ね今すぐ死ね偽者なんだからいくらでも死んでッ!!」
瞳の中でスイッチが切り替わったのか、自分への呪詛を言い切ったあと、その感情の向きは俺に向かってきた。二人の瞳が不気味に笑い自分が見えていないように無視しこちらを向いたその様子で俺はこれからこの二人から歪んだ愛情を味わわされるのを察した。
「ねえ、何してるの私はここだよ」「「ふふふっ」」


後編はそのうちにではまたー
コメントは下に書き込んでいただきたいと思いますー

【 2017/01/08 23:16 】

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