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氷鏡のプロジェクト2
前の話

「おはよう、美優、状況はどうなったかしら?」
「おはようございます、依然、地下におられる氷鏡さまに変わりはありません」
「バイタルデータをぁ教えてぇ、んんっ」
「氷鏡さま、大丈夫ですか? バイタルは心拍数は常に運動時と同じくらいです、呼吸数はこちらも平常時より大きく上昇しています、各氷鏡さまそれぞれの情報はデータ化していますので、後ほどごらんください」
「わかったぁわ、んんっ、ありっひっがとんんっ(わかったわ、ありがと)」
「今現在、確認できる氷鏡の個数は400体依然として増え続けています。死亡した個体は200体」
「200体ぁぁ、ですってぇ」
もっと少ないはずだと思った氷鏡はそう叫んだが、報告は続いていく
「地下の氷鏡さまの自我は既に限界に達しています。今のところ殺人は起きていませんが時間の問題かと」
「私はっ快楽殺人者じゃぁない」
「すでに氷鏡様の、感覚共有、意識共有ともにオーバーフローしている可能性があります。報告は以上です」


 朝ごはんをテーブルで食べようと氷鏡は肉を調理しテーブルまで運んだ。すでにお皿を触っているだけで指からイキそうな快感が脳に来て自分がなくなってしまうという恐怖からの呻き声も喘ぎ声に混ざってしまっているくらい気持ちがいい。
 肉を食べ終わったあと氷鏡は分身し性具を持ってきて布団までそれを持ってきた。周りには叫び声と喘ぎ声とよくわからない奇声が上がっていたが気にせず、布団に触れている皮膚からの快感に耐えながら二人で入った布団の中でキスを始めた。
「あぁ、ちゅ、ああぁんん、ああああああ」
たったそれだけで2回イってしまい、腰を何度も振る。
「入れてぇ」
震える吐息を感じて持ってきて張型を目の前の私の一番大事な部分に向かってゆっくりと挿入していった。
「あぁああああ、はやくぁああああああ」
胸を震わせ敏感で今まで生きていて最も勃っている乳首を空気で刺激して目の前の私はアヘ顔を晒していた。
「わたし、にもぉおおお」
イった衝撃でまだ体を揺らしている目の前の私から私へ陰部に張型を突き入れてくれるよう懇願する。
「うん」
と快楽で震える手で持った張型で私自身の秘部にそれを突き入れてくれるのを待った。
 彼女の張型が秘部の周りを擦り
「あぁああ」
私は自分で胸を揉んでしまいそうになる。でもこれは彼女からの刺激だけでイくためのレッスンなので手は目の前のもう一人の私の秘部と鼠径部から動かさないようにする。
「もっとぉああ」
そういうと、今度は目の前の私が力いっぱい張型で私の膣の一番奥を突く、私も自分の手を動かして、彼女の陰核を刺激してgスポットを張型で刺激していく。
 ツーンと勃った乳首に唾液をまぶして歯と舌で刺激する。ちょっとイキたいと思えば周りの私たちの快感を共有して、むちゃくちゃに腰を振ってイってしまう。お互いの陰核を交互になで、その快感を共有しながらキスをするのも気持ちいい。自分の陰核からの快感が収まったときに相手からの陰核から自分がした通りの私からの刺激が自分の陰核の場所に快感として表れる。
「あぁあああ、いくいくいくあああ」
とイキそうになるのを相手の私が張型を抜いて絶頂に達する寸前で止める。
「なんでぇあああああ」
膣に入ってはいない張型を感じようと何度も腰を振る。そしてまた、自分の快感を外から味わっている目の前の私が張型をゆっくりと私の中に挿入していく。
 お返しに目の前の私の両方の乳首を自分の両手でつまんで相手と自分両方の膝で両方ともの陰部をゴリゴリと擦る。
「ああああ、やめてっああ、あああぁぁあああぁあああーーーー」
胸を突き出して彼女はイってしまう。イってイってイキきったあとまだ止まらない快感の刺激をどこかに消そうと何度も私は腰を振ってしまう。空気が愛液まみれの下半身を刺激し過呼吸をすると空気中の媚薬をもっと取り込んでしまう。だが、もう腰を振っていることしかできないほど快楽の虜になった二人は股間全体の快感を解消しようと何度も何度も腰を振る。疲れてもう腰を振れないようになってやっと、その二人の行動は止まり、次は身体を69の体勢に変える。
もう一人の私の陰部は愛液が滝のように溢れて、私が舐めるとビクビクっと彼女が体を震わせる。自分の口からも欲望が唾液になって溢れ出しているのを氷鏡は感じた。


 地上では、モニタールームにいる氷鏡が、モニターの先の二人が布団の中でしていることを想像してショーツを濡らしていた。椅子は回転椅子なので体を振り時々椅子を一回転させて次にすることを考えていた。氷鏡の仕事は地下1000メートルの墓の建設事業だけで他に、今早急にすることはないのだった。
「美優」
とバイタル監視が仕事の美優に聞く
「次に何をすればいいかしら?」
「400人の交合を見ながら仕事をするこっちの身にもなって欲しいですね」
「あなた、生意気なこと言うわね」
美優は仕事ができるが少々くせがある。そのため時には扱いづらいこともある。美優は言った。
「これじゃあ、拷問じゃないですか毒ガスでも撒いたらいいんじゃないですか?」
「ごめんね、そういう機能は付けていないの」
「じゃあ、電気を止めてしまって!!」
「それはそれで、かわいそうじゃない? この仕事に飽きたのかしら」
美優はそこまで聴くとぶつぶつ文句をいいながら仕事に戻った。二日でやめられたら雇った身として困る。


 氷鏡は氷鏡自身の上に被さり、私自身のその場所と全く同じ形の陰部に見とれていた。同じようにもう一人の氷鏡に自分の恥ずかしい場所が見られているのかと思うと興奮してしまう。唾液が口から溢れ同じくドバドバと液体が滴っている彼女の秘部に液体が入っていく、その氷鏡の体が興奮しきっていて、だらしなく膣口が口を開けていた。彼女の隙間に氷鏡の出した液体が糸を引きつつ侵入していく。彼女はそれを感じてビクビクと身体を震して上に跨っている私の秘部に吸いつこうとする。
「ぐちゅ、ちゅちゅ、うんんうぅ、んんっ、ちゅぱっ」
 いやらしい場所からの私の愛液で彼女の上の口はドロドロに濡れ、彼女の鼻息が自分のにかかってしまう。
 指を使って彼女の陰核を爪先でひっかく。
「あぁ」
と声が聞こえて、私は興奮し媚薬まみれの空気を吸い込んだ。
 指を膣口の中に入れて膣の中から外に向かって陰核の方に刺激を加える。感覚を共有するとぞわぞわする感触が膣の周りに起こって全身に伝わっていく。
「きもちいいぃぃわぁぁ」
もっと触りたかったが、目の前のもう一人の自分に自分の同じ場所をいじってもらおうと
「私のもやって!」
と言った。
小さく陰核をつついて彼女が了解の合図をすると、彼女自身の人差し指を私の中に入れて彼女も同じように内側から陰核を刺激していった。
「あぁ、んんぅ」
彼女の指を引っこ抜いて私は何度も自分の腰を振った。お尻を後ろに突き出して、彼女から離れた場所に移動させる。再び彼女の体に自分の淫乱な部分を近づけ興奮で溢れ出る淫らな汁を彼女の顔に浴びせるように掛けた。私と同じように彼女も腰を振ってイってしまう。シンクロしてまるで同じ紐で引っ張られているように同じ振り方をする私たちのお尻。陰核を刺激しようにも腰は近づいたり離れたりして、やむなく手を下の方にやり自分の目の前の女の子の乳首を愛撫するようにやさしく触っていった。
 同じ快感が自分の乳首にも起きて腰の振りがさらに増していく。
「「ああああぁんんんああああああああああ、イクイクイクイク、あああああああああ」」
今までで、一番大きな絶頂の波が体を駆け巡ってそれに耐え切れずに腰を振るスピードもさらに早くなって、
「「あああああああああイクイク、あああああいいいいいいいくーーーーーーー、っっっっっっっっっ・・・・・・・・・」」
 全く同じ声が部屋中に響き私の中で一番の絶頂だったものが、この部屋の中でも一番の絶頂に変わっていく。つまり、この部屋にいるすべての私が、私の絶頂をともに共有して私の振り方と同じように腰を振っている。同じように喘ぎ声を上げて、それはイク様子も同じになる。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
「「「「ああああああああああああああああああああ、いやああああああああああああ、あああああああああああああ、はああぁああああぁああああああぁあああああああああ、イくぅぅうううううううううううぅうううぅううううううううう、ううううううっっっっっっんっんん」」」」
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
全員が部屋にいるすべての氷鏡がとてつもない快感を身体に感じ、すべての氷鏡が全員全く同じ体で全く同じ逝き方をしていた。


「なんなの、これぇぇー」
「モニター中の氷鏡さまの心拍数が以上に上昇しています。呼吸数も運動時の最大のものです」
「ああああ、はあぁはあぁ、なによ、これええええっっ」
そう言って、地上にいるモニタルームの氷鏡は戸惑っていた。なんせモニターに写っている氷鏡たちがみんな同じ腰の振り方をして、それはまったく同じようにシンクロしていて、絶頂の甘美な液体を愛液や黄金水または口からこぼれている酒臭い液体を、裸の氷鏡たちがこれでもかというほど体に浴びている。同じようにモニター前の氷鏡自身は自分の腰をこれでもかというほど動かしたくて、氷鏡は仕方なくて仕方なくて体を小刻みに震わせてもじもじしていた。今すぐ、自分の気持ちいい場所を触りたい。でも、周りにはいっぱい人がいるし、でもちょっとなら、と自分の手をショーツの中に入れた。
秘部の周りを指の腹で軽くなでると全身を痺れさすような快感が体を襲う。少しだけ地下の彼女たちの身体と共有を強めるだけで、何回でも何十回でもイケそうだと思うほどのもうこれ以上ないほどの気持ちいい刺激が身体全部に施されているように感じる。
「ああああああああああ、イクイクいくイクイクイクいく、あああああああ、ああああんんんんんっっんんっっっっ、あああああああああああああああああああ」
モニタールームの氷鏡の叫び声に周りのスタッフは唖然として、メディカルスタッフの美優はざまあみろとは思いつつもしょうがないからと施設内の医療スタッフに、イきすぎて氷鏡が水分不足にならないように点滴と鎮静剤の手配をした。担架で氷鏡は運ばれてその間もいやらしく腰をくねらせて恥ずかしげもなくイってるさまを周りの人々に見せていた。
「あああんんんんああああああ、イクイクあああああ、っっっんんんああああああ」


日本全国の氷鏡たちはこの日を境に正常に人と会話ができなくなりそれぞれの県立病院、または中央病院で永遠にイキ続ける愛液まみれの女に成り下がってしまった。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
「「「「「「「「あああああああ、いくいくいくいくああああああああああああ、ああああああああいくあああああいくいくいくいくあああいいいいいいいいあぁ、はあはあはああアアアアアアぁああはあアアあああぁァァああぎぎぎぎぎぎゃああゃぁあああぁああ」」」」」」」」」」
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」






そして、一年後・・・
体を愛液まみれにした女が都内に出没するという噂が流行りだした、それも女は一人や二人というわけではなく何百人と群れをなして男に襲いかかるという。女の噂は都市伝説になって後々までも語られたらしい・・・



感想などお待ちしております。リクエストは前向きに検討しますが面白くないと書きません。
それではまた~
【 2017/11/21 21:21 】

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氷鏡のプロジェクト1
前編はこちら
とりあえず、媚薬を空気中に散布する官能小説を書きたかった。
面白いかどうかは微妙です。
ではどうぞー


むかしむかし、この日本には水鏡という妖術使いがいた。その妖術使いは歴史書によれば陰陽師で名高い晴明によって倒されて晴明はそののちに式神の術を使い始めたという。
代わって現代ではその昔の妖術使いの水鏡の記憶を受け継ぐ生まれ変わりが産まれることになった。その生まれた人の名前は氷鏡(ひょうか)という。周りの友達からは“ひょう”と呼ばれていた。氷鏡は幼い頃から分身能力をもっていて分身同士の感覚共有や意識共有も得意だった。前世でさんざん悪いことをしたのが今になって生きたのかと生意気なことを氷鏡は考えていた。
氷鏡の父と母は旅行好きだったので氷鏡は幼い頃から日本中を父と母とともに旅した。行く先々で分身能力を悪用し全国の都道府県に自分の分身たちを残していった。その多くは東京にいる氷鏡の自宅に警察に連れ戻されたが、一部の氷鏡は記憶喪失を装ってその都道府県の所にいる養子の欲しい家庭に引き取られた。これは、氷鏡の作戦だったが案外うまくいって、氷鏡の人数は日本全国だけで200人を数えた。それぞれの家庭で多くの友達を作り現代について学び、その結果、氷鏡という個人の境界線はあいまいになった。それぞれの氷鏡が持つ知識を活用しそれぞれの家庭の金で氷鏡は大学に行った。高校までは、別々に勉強していたという氷鏡も多かったのだが、大学に入ってからは3,4人の氷鏡が常にそれぞれの大学にいてわざわざ東大まで来た氷鏡は30人になった。
氷鏡たちはみんな分身能力が使えたので、二つの用事が重なったときは分身して別々に行動したり自分の知識が活用できてないと思った氷鏡は氷鏡同士の金銭の貸し借りを帳簿につけて管理したりその結果出た利益をまた貸付けて儲けようとしていた。
一人の氷鏡は株の売り買いであっと言う間に一財産作って、200人の氷鏡達が一生で使う額の金を手にしてしまっていた。養子に出されていた先でそれぞれ氷鏡たちは戸籍を持っていたので、周りの人々からはよく似た他人がいっぱいいるようにしか見えなかっただろう。だがその間にも、着々と氷鏡がしたいことをするための計画はその片鱗を徐々に現していった。
もちろん、氷鏡自身のため毎晩のように場所を借り切って日頃のストレスを癒すための饗宴を催しそこでも、氷鏡は金を稼いでいた。その饗宴へ入るには氷鏡であることが参加条件だったが、氷鏡たちの饗宴の中にはこの世のありとあらゆる快楽が詰まっていた。ただ、後々のことを考えて常用性のあるものを氷鏡はあまり楽しまなかった。酒もほどほどにしタバコは吸わないし、ただ、身体を交わせる快楽に関しては氷鏡は貪欲だった。その響宴の場所ではどの氷鏡も服を脱いでいたし、あらゆる快楽の為の道具がそこで貸し出されていた。もちろん料金はとったが、その毎夜に開かれる饗宴はもちろん分身たちが行っていたし、帰りに体ごと帰ってくることなど必要ないので、饗宴が終わるとその場所は愛液その他もろもろの液体と、使われたいやらしい道具と少量の酒と雌の匂いで散々な状態になっていた。
だが次の日にはその饗宴の場所は綺麗に元通りになっていて次の日も、その次の日も氷鏡たちは饗宴を楽しんだ。

ある時、氷鏡が25歳になる頃に向けて氷鏡たちは自分たちが最高の快楽を味わっていないことに気づいた。なので、氷鏡たちは25歳の誕生日に向けてコネを使って地下1000メートルの場所に快楽の牢獄を作ろうとプロジェクトを進めた。氷鏡たちは金には困らなかったし、何よりこの世の誰も味わったことのない快楽というものにあこがれを持っていた。氷鏡はその妄想をしただけで興奮していたし、なによりこのプロジェクトは財力と権力と頭数を持っている自分にしかできないことだと、天狗になっていた。そこで使われたお金が日本国民のためになっていればと氷鏡は露ほども思わなかった。


 氷鏡は神経科学について知っている氷鏡の分身を呼び出して、建築技術に詳しい氷鏡の分身も呼び出した。人間がどの程度の薬なら死なないのか快楽を感じる適量はどのくらいか、どのくらいの範囲なら分身を作って氷鏡自身が牢獄から逃げないかということを氷鏡は冷酷に計算していった。結果地下1000メートルにエレベーターでつながる部屋を建設しその建物の中のあらゆる場所に体から排出される量と吸収される量を一定にした人体に快楽しか与えない濃度の媚薬を散布し続ける仕組みを作り上げた。この媚薬は日常生活でよく使われるものだが、24時間365日体に取り込み続けていれば倦怠感を引き起こすのに疑いはない。だが、興奮状態の快楽はほかの媚薬に比べてだんちがいだったし、その媚薬一択で楽園の建設を進めていった。トイレの場所は水を使うことはできなかったので宇宙船のように排せつ物を圧縮して外に出す方法にした。排泄を済ませれば自動でそれが行われる。飲み水は地下水を引いてくることにした。だが、ただ水を飲むだけでは面白くないので、水に適量のアルコールが含まれるようにした。これで、毎日お酒飲み放題である。水をワインに変える禁忌も現代の科学技術を持ってすればなんともない。
 地上にはモニタリングの設備を整え万が一、私が動けない場合でもほかのスタッフで常時監視ができる体制を作った。電気の配線はエレベーターについているしというか片道なので戻る必要もないことに気づいた。工事が終わったらコンクリで埋めるようにしよう。
 完璧な準備をして全員の分身の氷鏡を一箇所に集め楽しいビンゴ大会をした。一等賞が地下への片道切符なのだった。ビンゴ大会を楽しんでそれぞれ商品を持ち帰り浮かれ騒ぎが終わった頃、宇宙へ旅立つ宇宙飛行士のように一人の氷鏡は地下への旅を待ちわびていた。
「じゃあ、がんばってね、私は上でモニタリングしてるからー」
「オーケー、グッバイ」
と別れもそこそこに、氷鏡は地下への旅をし始めた。10分で地下までつく計算なので、氷鏡が部屋に入ったことを確認して、コンクリをエレベーターに流し込んだ。


 エレベーターで部屋についた氷鏡は自動ドアをくぐって、まず最初に、部屋の設備がちゃんと動いているかを確認した。
 その後、食料が十分にあることを確認し、ダンボールに200人分の性具があることも確認した。もちろんローションも潤沢にあるし、簡単に部屋の掃除ができる自動掃除機も完備されている。部屋に備えられている監視カメラに向かってOKのサインをしてとりあえず疲れを癒すために備え付けのソファーに座った。時刻は午後5時だった。他の氷鏡たちは電車に乗ったりタクシーに乗ったりでそれぞれの家やマンションに帰っていた。待ちきれずに電車やタクシーで隠れて陰部を触っている氷鏡もいて集中するとその快感が地下1000メートルの氷鏡にも伝わってきた。しばらくすると、部屋に常に供給される空気中の媚薬の成分が体の中に入ってくるのが分かってくる。息が荒くなり心臓の鼓動がいつもより早い。


 その頃、上のモニタールームでは企画発案者の氷鏡がプロデューサー席に座ってその様子を見ていた。継続的な快感にも値段をつけて他の氷鏡から巻き上げるつもりの氷鏡は投資家の氷鏡からリスクについて十分気を付けるように言われていたし、その通りにしていた。何も心配はないだろうと思っていたが、なんとなく不安だけはあった。モニタールームで地下にいる彼女のバイタルを調べられるよう監視カメラにAIをつないでいる。
 美優はこのモニタールームでのメディカルチームに属していた。もちろん私の親戚でもなければ、知り合いでもない。美優の採用理由は真面目なところがあるからだった。
「彼女のバイタルはどうなってるの? 」
「心拍数は上昇傾向です。体温も上昇中、呼吸数は平常時より少し多いくらいです。今のところ問題はないです」
「そう、美優ありがと。あっ、やっとかしら」
 モニターの中で、氷鏡はその体を増やしていった。カメラに収まらないくらい(ざっと100人くらいだろうか)に増えると手早く料理の準備をし始めた。料理ができた頃にはカメラに写るどの氷鏡も疲れていて、「今日は寝ちゃおうよ」と言い出す氷鏡もいた。


 氷鏡は料理を食べていた。他の氷鏡が食べる料理の味を感じながら、地上に居る氷鏡たちの料理の味も氷鏡には分かっていて媚薬からの興奮でよだれが止まらないでいた。牛乳が飲みたい(地下には牛乳はなかった)と思うと地上の氷鏡の一人が牛乳を飲んでくれて、そのありのままを私に送ってくれた。ありがとうと念を送るとどういたしましてと念が帰ってくる。だんだんそれぞれの氷鏡たちは正常な判断ができなくなっていて、時々スプーンを落とす氷鏡やよだれとともに鼻水や愛液を流したままの氷鏡も席にはいた。服が敏感な部分に触れるだけで変な声が出ている氷鏡もいる。感覚の共有はこのなかの氷鏡の誰に対してもできるので早速壊れている氷鏡も少なからずいた。逆にある氷鏡はどこからか来る倦怠感と吐き気に襲われてトイレに行って何度も食べたものを吐き出していた。イライラが収まらず壁を蹴飛ばす氷鏡もいた。
 なんかこの世の終わりに来てしまったのかとつまらない感想を抱く氷鏡は吐き気をこらえながら肉を食べていた。
 食事を食べ終わる頃には氷鏡たちはあるものは愛液と黄金水を垂れ流し、あるものはトイレに行って出てこなかった。そこでオナニーをしているのはわかったが・・・
「大変だなー」
と既に他人事の氷鏡は分身してさらに人数を全部で300人に増やした。動けない氷鏡に変わって食事の後片付けと床にあった零したり吐いたりして広がったりの汁で汚れた場所を自動掃除機できれいにした。倒れている氷鏡は部屋の隅に移して、早速オナニーを始めようとする。


 モニターにはすでに人間は写っていなかった。一時間かそこらで人間の理性というものは崩壊するのかとモニターの前の氷鏡は言葉を失っていた。ちょっとその倒れた氷鏡の体を感じるだけで何回分もの絶頂を味わうことが出来ると自分までもよだれがこぼれそうになっていた。すでに下の下着も変えないといけないほど濡れてしまっている。だがしかし、これは幸せなどというものとはちがうだろう。ただ純粋な快楽に雌の匂いと黄金水の匂いと愛液の匂いと氷鏡の汗の匂いが混じっているのが感じられる。急いで接続を切ったモニター前の氷鏡は疲れたのと夕食を取るのとオナニーするのでモニター前を離れた。氷鏡は神様は信じていなかったがさすがにこれを見るとそうも言っていられないと思った。


 地下の氷鏡は常時愛液がだらだらと出ていて、呼吸もろくにできない過呼吸の氷鏡もちらほらいた。氷菓の中の誰の頭を覗いてもやばい、やばいとまるで人間じゃないかのような答えが返ってくる。すでに氷鏡たちは快楽でトイレまで行けないか行ったとしても、どのトイレも氷鏡の力ではまったく開かずにトイレの前で耐えきれず漏らしてしまう氷鏡もいて、その度に別の氷鏡が漏れた愛液や黄金水の掃除をしていた。掃除機の性能が良かったのか掃除自体に時間はかからないのだが、精神的な被害は尋常ではなかった。その度に別の氷鏡は胃の中のものを吐き出し、それをまた別の氷鏡が綺麗にしていた。
 その間も変わらず媚薬は空気中に散布され壁を叩いていた氷鏡は手を真っ赤にして人語(じんご)ではない言葉を叫んでいた。
 ある程度時間が経つとその人語ではない言葉もなくなり氷鏡同士が互いにセックスするイメージだけが頭に浮かぶようになっていた。どこかの氷鏡が性具のダンボールを開けて、別の氷鏡がそれをみんなに配って回った。
私は私で、服が気持ち悪くて裸になっていたし、他の300人(その中でも動けるのは30人程度)に犯されないようにゾンビのような彼女たちから逃げ回っていた。もう正常に脳が働いていないのか他人のセックスを見るだけで快感を共有していてそれだけでイキそうになっていた。飲み水の水道はお酒の味がするのにみんながそれに群がって、キスをしながら口移しをしてそれだけでイっているようだし、お腹に入るだけダンボールに入ったままの生の食料を食い尽くしてしまおうとする氷鏡もいた。
なんかもう嫌になったと氷鏡は思い。舌を噛み切ろうとしたが数パーセントでも脳の中に残っていた生きたいという私がなぜか分身していて、部屋の中の氷鏡の数も一向に減らないでいた。死んだ氷鏡は動けなくなった氷鏡の隣に置いてそれも、屍姦者(ネクロフィリア)の氷鏡たちにかっさらわれていった。屍姦をする氷鏡たちは張型を死人の氷鏡に突き刺し「あああああ」と叫びながら絶頂している。
流石にお酒がないと無理だと思った当の氷鏡は水道に近づいてさっき見たときより数が減っていた氷鏡たちのなかに入って体のいろんな部位を触られながらも、水を飲んだ。あとは死にたての氷鏡の血を飲んで眠気が来るのを待った。時間は12時になっていた。


 地上のとある氷鏡の家地下で大変な状況であることを又聞きの又聞きの又聞きで知っていた。この氷鏡はいつもどおり毎夜開かれる饗宴から記憶だけを戻した自分の分身を呼びその氷鏡の記憶を彼女は楽しんでいた。秘部を他の仕事をしている氷鏡に舐められ陰唇を爪の先で触られるだけで体が熱くなるのを氷鏡自身が今されているかのように妄想して同じ刺激をコピーの体を使って再現していた。
 この氷鏡の時計の時刻は2時を指し氷鏡は徹夜で明日必要な資料の作成をしているのだった。もちろんパソコンで資料を作成してその合間に饗宴で快感をおやつにする。灯りを消すと氷鏡たちはベットに入った。
 次の朝、氷鏡は地下で死んだ氷鏡の記憶に触れ、たったそれだけで、何回分もの絶頂を経験し体を冷ますためにその後10回のオナニーをしなければならなかった。会社に迷惑をかけることになった。これが毎日続くとなると思うと氷鏡は憂鬱になった。


 朝、モニタールームのプロデューサーである氷鏡は夢の中で快楽に悶えていた。目を覚ました瞬間地下で死んだ氷鏡の絶頂が彼女を襲いその快感だけで14回程イった。すぐに今日の業務につかないといけない時間に成っていたが、氷鏡はオナニーをせずにはいられずに、その後も10回程度、自分を焦らしながらイった。分身してしたかったがその余裕もない。相変わらず地下では寝る間を惜しんでセックスが続いていたが、確認するには身支度をしてモニタールームに行かないといけなかった。


 朝起きると、私は周りで死んでいる氷鏡たちの快楽を全身に受けて、おかしな空想の中で、部屋にいる全員の氷鏡に身体を愛撫されているのではないかと思えるほど至高の快楽を感じた。絶対に自分の陰部には触れてはいけないと触れるようなことがあれば今日中には死んでしまうほど、鬼気迫る快楽だった。だが自分が死んだところで自分の身体はほかの氷鏡に生かされて続いていくのだから関係ないじゃないかと思考して、でも耐えて朝ごはんであるダンボールの中の食料の肉を食べようと氷鏡は食事の準備をした。


続き
【 2017/11/21 21:12 】

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水鏡という人
とりあえず書いてみたもの設定とかは特に考えてないです。【非エロ】
ではどうぞー


 昔、一人の祈祷師がとある都の中にいた。その都は人心を失って、今にも滅びそうだったが、この世ならざる力の持ち主によって支えられていた。
「ああ、この都はもう終わりです」
「そうだ、そうだ、この都は天まで達する罪にまみれた。裁かれねばならない。」
「誰にでしょうか、それは誰に?」
「私にもわからぬ、だが天におる人は、それを知っておるはずじゃ」
「では、一体いつ裁かれるのでしょうか?」
そのような問答が、その都の知者達によって行われていた。

 だが実際のところは、誰にもわからなかった。明日世界がなくなっていも良いように準備しているものたちにとっては、準備をせず呆けているものたちの身を案ずることに、心力を注いでいた。
 そして同じ頃、その都の一人の知者がこの世は終わるのではなく新しく浄化されるのだということを言い始める人がいた。その人の名を安倍晴明という。その都の人には彼の人また、あの人と呼ばれていた。彼は、日に日に力を増し、大いなる浄化のために力をつけねばと自分自身を鍛錬していた。そこに、大いなる鬼と呼ばれる人がやってきた。
「晴明や、なぜそなたは、この世に思いを抱いているのだ。そこから離れようとはしないのか、この世より広い世界を見ないのか?」
そう言った人は不思議な妖術を使う水鏡という人だった。その水鏡は、他の人の目に二人に分かれたり三人に分かれるという身分けの術というのに長けていた。つまり後の分身の術であり、晴明はその人からその術を学んだ。大いなる鬼である水鏡は晴明に再び尋ねた。
「晴明や、なぜそなたは、この世に思いを抱いているのか?」
「黙れ鬼よ、そなたの力など殺して奪い取ってくれる」
 水鏡は小さく笑いできるものならやってみろと言うように、短刀を持って晴明に挑んできた。敵の足は速く晴明は目で追うのがやっとである。気を抜いて姿を見失えば、着ていた衣の一つを敵の短刀で裂かれてしまう。今まで、数々の鬼と戦ってきた晴明だったが、いきなり斬りかかられたのは始めてだったので晴明は自分の油断を悔いた。水鏡からの攻撃を避けつつ晴明は馬車に残していた長刀を取りに急いで戻った。長刀を取った晴明はその刀身で素早く攻撃する水鏡の体を返し斬りして斬りかかった。確かに刀身に生身を斬る感覚があったのに当人の水鏡は晴明から数えて晴明が持っている刀4つ分の距離にいて、晴明を嘲っていた。
「ふふ、慢心するわけではないが、そなたにこの術は破れぬ」
 晴明は怒りに任せて斬りかかったが、ことごとくその水鏡の足の速さとたとえ斬ったとしても何故か別の場所で再び現れる水鏡にほとほと嫌気が差していた。
「なぜ、斬られぬ!!」
 水鏡はそんな晴明をあざ笑っていた。
「だが、流石に見込みのある、これまでわれに斬りかかってこれほど長く生き延びたものもいない」
「何だそれは」
 晴明は普段から刀に触れているわけではないので、ある程度斬りかかって晴明自身の体力がなくなれば敵の出方を見て敵の不意をつくということをいつもの鬼退治で行っていた。今回もそのようにしようとしたが、生憎水鏡の方から攻撃を仕掛けてこようという気はないようだった。
「刀を捨てよ、わしもこの短刀をしまおうぞ」
と晴明が見るとさっきまで水鏡の手にあった刀はあっというまに消えていった。晴明もそれを見て刀を馬車の中の戻すべき所に戻した。
 だが依然として、この水鏡という妖術使いの女は信用できぬと警戒を緩めずにいた。


 そち、紙を持ってはおぬか
「ほれ」
と言って晴明は自分が持っていた紙を水鏡に渡した。
 そち、はさみは持っておらぬか
「ほれ」
と言って晴明は持っていたはさみを水鏡に渡した。
 水鏡は紙を人形に切りよく見ておれよと自信げに人形の紙を地面において印を結んだ。そうするとその人形はたちまち水鏡と同じ姿になり水鏡と晴明のいた方に歩いてきて
「どうじゃ」
と言った。
「ほれほれ、我慢などせんでよいから術についてわれに訊くのじゃ」
とまるで訊くのがさも当然のように水鏡は言ってきた。
 晴明は多少自分の術のほうが優れているという自負はあったが水鏡に身分けの術の真髄について訊いた。


 その後、晴明は身分けの術と式神の術を体得し、それを使いこなすまで水鏡に鍛えられた。ある程度水鏡と同等の力を得るまでになると晴明は水鏡に尋ねることをした。
「ことに、この世やこの都というものはなぜに、げに、恐ろしいところなのだ?」
「それはわしも知らぬ、つまらぬことを訊くな」
 そうして、晴明は黙り込んだ。
「だが、そちのことじゃからその真髄をも見つけ出すのじゃろうな、そうでなければ面白くない」


 その後晴明は都で一番の陰陽師になり後の人の知るところとなった。


続き
【 2017/11/21 21:07 】

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